子どもの健康

学校保健

2019.08.26第14回学校保健研修会(8月22日開催)講演要旨

第14回学校保健研修会
○開催日時:令和元年8月22日(木) 13:30~14:30
○開催場所:久居一志地区医師会館
○講 演:『アトピー性皮膚炎の治療とスキンケアについて』
          うめだ皮膚科クリニック 院長 梅田由美 先生
○講演要旨:生体はさまざまな微生物や蛋白・ハプテンなどの外来異物に暴露されおり、これらの外来抗原に対しバリアーや免疫システムを介して防御しています。
昨今、アトピー性皮膚炎の患数は増加の一途をたどっており、その背景には様々な因子が関与しております。その中の一つとして皮膚のバリアー機能の低下が考えられております。
皮膚バリアーに異常が起これば各種抗原が皮膚内へ侵入しやすくなり、非自己である外来抗原に対し免疫応答をきたします。そして過剰な免疫応答はアレルギー反応につながります。
表皮の最外層は角層からなり、皮膚バリアー機能の大部分を担っております。
皮膚バリアーはわずか0.02mmと薄く掻破したり、入浴時にタオルなどで強くこすると壊れてしまいます。
そして、炎症がおこると皮膚バリアーはさらに壊れ、乾燥肌が重症化してしまいます。
アトピー性皮膚炎を改善し、症状をコントロールする治療の1つが薬物療法です。
皮膚の炎症を鎮めるにはステロイド外用剤や免疫調整作用のあるタクロリムス軟膏が使用されます。
皮膚の部位によって薬の吸収率が異なります。ですので、部位や皮疹の重症度に合わせて強さの異なる外用剤を上手く使い分けることが大切になります。
ただ、ステロイド外用剤やタクロリムス軟膏は炎症を軽減させることは出来ますが、保湿力はほとんどありません。ですので、アトピー性皮膚炎の治療では、皮膚の炎症を治療するためのステロイド外用剤やタクロリムス軟膏の外用と乾燥肌を治療し皮膚バリアーを維持するため保湿剤の外用の両方が必要となります。そして、この二つをしっかり行うことでアトピー性皮膚炎を上手にコントロールすることができるようになります。

皮膚の乾燥を防ぐスキンケアは
1)皮膚を傷つけないようそっと丁寧に手で優しく洗う。
2)洗浄力の強い石鹸やシャンプーはさける。
3)痒みをきたすような高温のお湯や入浴剤の使用は避ける。
4)保湿剤の使用。
などがあげられます。

なかでも保湿はとても重要で、入浴後は皮膚が潤っているときに保湿剤を使って水分が蒸発しない様、皮膚にふたをすることができます。入浴後4~5分すぎると周囲の水分子をくっつけて水分が蒸発してしまうので出来れば3分以内に使用することが効果的です。
また、湿疹のある部位だけでなく、全身に塗るようにします。手のひら全体を使い、からだのしわにそってぬります。
保湿剤は刺激感を感じないものを選択し、例えば夏はローション系の保湿剤、冬はクリーム系の保湿剤と季節ごとに使い分けても良いです。何より大切なことは季節に関係なく、一年を通じて毎日継続すること何より大切です。

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