子どもの健康

学校保健

2014.07.01「水いぼ」と「プール」について

                                久居一志地区医師会乳幼児保健委員会

―はじめに― 

毎年プールの季節になると外来では「水いぼ」をめぐっての会話が多くなることと思います。取るのは痛くてかわいそう、でもプールには入れてあげたい、母親。1年くらい経てば自然に治る、しかし取らないと増えることもあり、取っても全部はとりきれないしと、どうも歯切れの悪い小児科医。
水いぼへの対処は小児科医や皮膚科医の間でも方針が一定していないのが現状です。

―提案―

そこでわたしたちは水いぼに対する考え方を話し合い、保育園・幼稚園・学校における対応について次のようにまとめました。
1.原則として、水いぼの子供の集団生活(プールなどを含めた園の行事)を制限する必要はない。
2.治療法は、水いぼの数、大きさ、そして本人の状況などを保護者の方と話し合って考える。
以下にその理由を説明します。

―水いぼとは?― 

水いぼ(伝染性軟属腫)は直径1~5mm程度の丸く堅い水疱状の病変で、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に接触感染し、ウイルスが皮膚の細胞の中で増殖して発症します。

 

―うつり方は?― 

この水疱の中にあるウイルスが皮膚に直接、あるいは間接的に接触することでうつりますが、水疱の表面に接触しただけではうつりません。実際には、入浴でのタオルやスポンジの共用、スイミングスクールのビート板の共用などが多いとされています。プールで水を介してうつることは否定的です。健康な皮膚であればウイルスが単に付着しただけでうつることはありませんが、逆にアトピー性皮膚炎などで皮膚が荒れやすい場合にはうつりやすく、日常からの乾燥肌に対するスキンケア―が大切です。

―治療法は?―

1.切除する(水いぼ治療用のピンセットで、1個ずつ白い芯を摘み取る。非常に痛いので、痛み止めのテープを貼ることもある。)
2.硝酸銀療法(40%硝酸銀液を水いぼに塗布し取りやすくする。2~3日続けて処置が必要。)
3.飲み薬(漢方薬ヨクイニンを飲む。効果が出るまでに2週~数週間を要する。効果は不確実。)
4.自然に治るのを待つ(このウイルスは弱いので健康な体に対しての害はありません。しかしそれ故に免疫反応が起こりにくく、自然治癒までに1~2年かかります。)

―ベストの方法は?― 

子どもとしては、自然に治るのを待つ方法が苦痛がなくていいかもしれません。でも1個や2個なら、いや5個以下なら取ってしまいたいとも思いますが。やはりその都度、保護者の方と話し合うことになりそうです。

―ではプールをどうするか?―

1.学校保健法は「通常登園・登校停止の措置は必要ないと考えられる伝染病」であり、「原則として、プールを禁止する必要はありません。しかし二次感染のある場合は禁止します。多数の発疹のある者はプールでビート板や浮き輪の共有をさける。」としています。
2.日本臨床皮膚科学会は「幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ってしまうこともありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に伝染することを考慮して、治療します。プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、またプールのビート板や浮き輪の共用を控えるなどの考慮が必要です。この疾患のために学校を休む必要はありません。」としています。
3.鯖江市医師会は「水いぼを取るように指導した園」と「水いぼを取らずに放置した園」を比較し、その後の水いぼの罹患率に差がなかったと報告しています。
つまり「水いぼ」は肌と肌が触れ合うことでうつりますので、プールだけがうつる場ではないと思います。
以上、保護者の方々、保育園・幼稚園・学校の責任者の方々の「水いぼ」そして「プール」についての判断に際して参考となれば幸いです。

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