住民健康講座

過去の住⺠健康講座要旨

令和5年6月8日(木)第266回『明るく楽しく健康に笑顔で人生を』

場所津市久居アルスプラザ
津市久居東鷹跡町246
講師榊原温泉病院
内科医師 市岡希典先生
講演要旨日本人は、明治期までは、天然痘や結核などの感染症や脚気(ビタミンB1不足)、胃潰瘍でも死亡していた。天然痘は人類が克服した唯一のウイルス感染症であり、肺結核は治療法があり、脚気の患者さんもまずみることはなくなった。胃潰瘍も原因、治療法も確立している。現代では、超高齢社会であり、悪性腫瘍(癌)、心疾患、脳血管障害、肺炎、認知症などが死因としても上位となってきている。高齢者にとって心疾患をいかに管理するかは重要である。脳血管障害の患者さんでは、麻痺や嚥下障害などで全介助で寝たきりとなり、経ロで食事が不可のため、経管栄養をしたり、喀痰の喀出ができないため、気管切開をしていることもある。認知症は、患者さん本人にとっても家族にとっても大きな精神的、身体的負担となる。患者さんに寄り添う姿勢が大事であり、服装も整えてあげることも必要である。短期記憶障害や、エピソード記憶の障害が初期におこってくる症状であるが、脳神経内科などをはやめに受診していただくことが大切である。高齢者に特徴的な身体的特徴があり、体がかたくなってきたり、また反射的な動作が難しくなり、筋力も低下し転倒などの危険性が高まる。趣味をもって生活したり、軽い運動をする、楽しく笑顔ですごしている高齢者は長寿の方が多いと感じます。我々医師からみると、ある程度の周囲の方の介助はあっても、自分のことは自分でできる高齢者の方が楽しく生活していただくことを強く願っております。