住民健康講座

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令和5年7月13日(木)第267回『歯とからだの健康』

場所津市久居アルスプラザ
津市久居東鷹跡町246
講師津歯科医師会 学術委員
こう歯科 院長 藤田 耕先生
講演要旨 近年、日本の平均寿命は伸びてきているが、健康寿命もそれに伴って伸びてきています。
 しかしながら、その差に変化は認められない。健康な状態のままで余生を送るためには、平均寿命と健康寿命の差を小さくしていかなければなりません。
 死亡原因の半数を占める生活習慣病の改善が健康寿命の延長に必要だが、生活習慣病の改善には口腔内の健康の維持も重要な役割を果たしています。
 歯周病は全身疾患との関係が近年の研究により明らかになってきています。
 脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病、出産時や胎児への影響、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、肥満、がん等への影響が明らかになってきています。
 むし歯や歯周病の最終結末は歯の喪失につながります。歯を失うことで食事が摂れづらくなり、全身状態の悪化につながってしまいます。
 フレイル(虚弱)のきっかけにもなる口腔機能の衰えを「オーラルフレイル」と呼びますが、そうでない人と比べると要介護認定を受ける割合や死亡リスクが2倍近くになります。
 歯の健康を守れば、他の傷病リスクを抑えられるため、医療費も抑えることができます。小さな虫歯も、再発を繰り返すと重症化し、歯周病は再発しやすい病気であり歯の喪失を招きます。早期治療ももちろん大切なのですが、「病気にしない」ということが最も大切です。
将来に多くの歯を残して健康を維持し、QOLの高い生活を送るためには、早いうちから予防歯科を始めることが大切です。
 痛くなってから歯医者を受診するのではなく、痛くなる前に歯医者を受診することが大切であり、将来の健康や医療費の差に大きく表れてきます。将来の生活に後悔することがないように、みなさんには予防歯科を始めていただきたいと思います。