住民健康講座

過去の住⺠健康講座要旨

令和5年10月12日(木)第269回『こころの健康を保つために―心理職の立場から―』

場所津市久居アルスプラザ
津市久居東鷹跡町246
講師つつじメンタルクリニック
(久居病院サテライトクリニック)
公認心理師 棚橋めぐみ先生
講演要旨こころの健康を保つために大切なこと
① 脳に負担をかけないこと
  ・ 余裕を持って生活をする(予定を詰め込みすぎない)
  ・ 個人の生活リズムを保つこと(例えば、睡眠のリズムは個人によって異なるので自分自身が心地よいと感じる睡眠のリズムを保つように努める 等)

② 自分自身を理解すること
  → 人には個人差(人格)があります。他者と上手に付き合うために、他者の気持ちを考える場面においても、まずは自分自身について知ることが大事です。
  ☆どのようにして知るのか(病院やクリニックでは心理検査という方法もあります)
・自分自身で取り組むことが出来る心理療法の紹介
●マインドフルネス
 過去の経験や先入観といった雑念にとらわれることなく、身体の五感に意識を集中させ「今この瞬間の気持ち」「今ある身体状況」といった現実をあるがままに知覚して受け入れられている状態
 (瞑想によって「焦らずありのままを受け止めるおおらかな気持ち」を養う)
 → 瞑想を日常生活に取り入れてみる(1日に10分程度自分自身の都合の良い時間)
 一例)呼吸の瞑想(他にもいろいろとあります)
1. 背筋を伸ばして座る。目は軽く閉じるか、薄く開けて斜め前を見る。
2. 息を吸ったときに、おなかや胸がふくらむのを感じ、心の中で「膨らみ、膨らみ」と実況する。呼吸はコントロールせず、そのとき一番したいように呼吸する。
3. 息を吐いたときにおなかや胸が縮むのを感じ、心の中で「縮み、縮み」と実況する。
→ 雑念が浮かんできた場合は、「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、「戻ります」と言って、再び呼吸に意識を戻します。呼吸の瞑想は、1日10分ほど行い、慣れてくれば時間をのばしても構わないです。
●心理療法には「意識」の働きを重視するものと「無意識」へのアプローチを重視するものがあります。心理職はカウンセリングの場で心理療法の技法を扱います。カウンセリングは病院だけではなく様々な場で行われているので、悩んでいることや困っていることがある場合は、病院に限らず他の相談機関を利用することも一つの方法です。