住民健康講座
過去の住⺠健康講座要旨
令和6年7月11日(木)第277回『すべての世代―年齢のお口の話~自分の体や子どもへの影響~』
場所 | 津市久居アルスプラザ アートスペース 津市久居東鷹跡町246 |
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講師 | 津歯科医師会 地域医療委員会副委員長 瀧川歯科医院 副院長 瀧川彰範先生 |
講演要旨 | 歯についたヌルヌルしたもの(歯垢・プラーク)・・・これは実は元気に動く菌のかたまりです! そのプラークの菌の数・・・ 1グラム中に100000000000個(1000億個) これは うんち 1グラムと同じくらいです。 ヌルヌルしたバリアを作りながら歯にしっかりくっついた菌は3度の食事と湿り気、あたたかい体温によって大切に育てられて増え続けます。特に寝ている間に繁殖しやすいです。 この菌がもたらす悪影響はむし歯や歯周病といったお口のトラブルだけにとどまらず、心筋梗塞・脳梗塞、肺炎、糖尿病や低体重児出産、認知症など全身のトラブルにもおよびます。 そして自分だけではなく歯が生え始めた小さなお子さんの一生にも影響を及ぼします。 悪い菌が多く増えた家族が自分のお箸でこどもにおかずを分けたり飲み物を回し飲みしたりすると、菌のバランスが影響してこどものお口がむし歯になりやすい状態になってしまいます。 ・・・と言ってもスキンシップは親子にとって大切なもの。 出来るだけ悪影響を及ぼさないように自分のお口の中の悪い菌を減らすよう自分に合ったプラークコントロール(お口の中のプラークを減らすこと)を歯科医院で見つけてもらいましょう。 『プラークコントロール』 ■フロス 「Floss or Die(フロス オア ダイ)」 フロスをするか死ぬか? 歯と歯の間の清掃の重要性についてアメリカの歯周病学会が発表した言葉です。 毎日フロスをすると「意味あるのかな?」というくらい少ししか取れてこないと思いますが毎日してください。 逆に週に1回など、たまにしかフロスを使わない人は多くのよごれが取れてきてフロスのやりがいを感じているかもしれませんが・・・5日目や6日目にたくさん菌をつけたまま過ごしているということです。その間に歯垢は歯石になって自分ではとれなくなったり、歯周病が進行して歯をささえている骨が無くなったりしています。 ■歯ブラシ ブラシの頭の小さくて薄いものを選びましょう。磨く場所・目的によって色んな形の歯ブラシ・動かし方があります。 当日は動画をご覧いただきましたがこれをお読みの方は歯科医院で説明を聞いてみてください。 基本は優しい力でこまかく動かしてください。 同じところばかり磨かず色んな方向から磨きましょう。歯の生え際の歯ぐきとの境目までしっかり歯ブラシの毛先が当たるようにしましょう。 歯を強く磨きすぎて歯が削れて、歯の神経にばい菌が入ってしまう場合もあります。 選ぶ歯ブラシや力加減は歯科医院で確認してもらうことをおすすめします。 『シュガーコントロール』 むし歯の原因の酸を作り出さない代用甘味料(キシリトールなど)の使用や おやつを食べるタイミング(時間を決める だらだら食いをしないなど)を意識するといった糖類の摂取のしかたも見直してみてください。 最後に 歯周病はかなり進行しないと激しい自覚症状がありません。進行していても落ち着いている時期もあります。 手遅れになる前にぜひ歯科医院へ! |