住民健康講座

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令和6年9月12日(木)第278回『骨粗鬆症について』

場所津市久居アルスプラザ アートスペース
津市久居東鷹跡町246
講師関口整形外科
院長 関口章司先生
講演要旨 骨粗鬆症とは骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患と定義されています。
 ヒトの骨を建造物に例えると、骨粗鬆症では柱の数が減り、柱の太さが細くなり、さらに外壁も薄く弱くなっているといえます。骨強度が低下すると物を持ち上げただけで背骨が折れたり、尻餅をついただけで大腿骨が折れることがあります。高齢者では、これらの骨折がきっかけとなり、その後の日常生活に支援や介護が必要となってしまうことも少なくありません。
 骨強度が低下しても、骨折が生じない限り、痛くもかゆくもありません。骨強度の低下を知るには、医療機関等で骨量を測定、あるいはレントゲンを撮影する以外に方法はありません。
 骨量測定の結果、75歳以上の女性では約半数の方が何らかの薬物療法を受けた方が良いと判断されます。約半数が該当するということは、骨粗鬆症は、「病気」というよりは、避けられない生理的現象で骨折しやすい「状態」になっていると考えられ、「病気を治療する為」ではなく、「骨折を予防する為」に薬物を服用するととらえた方が理解しやすいかもしれません。
 骨折予防は日常生活に制限のない、健康寿命を延ばすことにつながります。70歳代での社会参加、80歳代、90歳代での自立した生活をめざし、骨の検査を受けましょう。