住民健康講座

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令和8年2月12日(木)第292回『活動的な生活で長生きを!~高齢者の栄養と運動~』

場所津市久居アルスプラザ アートスペース
津市久居東鷹跡町246
※満席の場合、ご入場をお断りいたしますので、予めご了承ください。
講師介護老人保健施設万葉の里
管理栄養士 岡田久美子先生 
理学療法士 福田真人先生
講演要旨【栄養】
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本日は、高齢期の栄養と食事というテーマでお話をさせていただきます。
管理栄養士の岡田と申します。よろしくお願いします。
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今日はこの3つの内容で、お話しさせて頂きます。
まず、どんな人が介護を受けるのか?続いて、フレイル対策とは、
最後に、かかせない栄養素であるタンパク質を摂りましょう、
という内容です。
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こちらは65歳以上の方で、介護認定を受けている人の割合をグラフにしたものです。
横軸は左から65歳から69歳、70歳から74歳、75歳から79歳、80歳から84歳、85歳から89歳、90歳から94歳、95歳以上となっています。
縦軸は介護認定を受けている割合、下が0パーセント、上が100%となっています。
青い線をご覧ください、右に行く=年齢が上がるにつれて、介護認定を受ける人が増えている、ということを示しています。
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続いて介護認定を受ける人、要介護、要支援の具体的な状態を見てゆきましょう。
それぞれの段階、右に行くほど介護度が上がっていて、低下がみられる能力を示しています。
枠の中の項目が、できなくなってきます。
要支援だと、上の細長い枠、起き上がり、立ち上がり、もう一つ下の枠、片足立ち、買い物が難しくなってきます。
要支援の状態ですでに日常生活に制限がかかっていることが想像できますでしょうか。
要介護になってくると、歩くこと、身体を洗う、薬の管理、お金の管理、簡単な調理、寝返り、トイレ、着替えなどが難しくなってきます。
要支援、要介護の状態というのは、こういった日常生活を送る能力に低下が見られます。
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次に介護が必要となった主な原因を円グラフにまとめました。
目立っているのは脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)、認知症、高齢による衰弱、関節疾患、骨折・転倒です。
グレーの部分は、約半数が加齢による症状・徴候によるものです。
さて、加齢による症状・徴候ですが、これって予防できると思いますか?
実はある程度は抑える、遅くすることは可能です。
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そこで、フレイルを防ごう!という話に移ります。
先ほどの運動のお話しのときにもでましたが フレイル、聞いたことありますか?
日本語に直すと、虚弱、となります。
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フレイルとは加齢による症状・徴候があって、要支援・要介護になる可能性が高い状態をいいます。
この図の、真ん中の状態、左が自立して健康な状態、加齢によって身体機能・身体能力が落ちてきて、右が要介護状態です。
坂道を下るようなかんじで、機能が徐々に落ちるイメージです。
筋肉が減る、活動が減る、食欲が減る、などの原因によって、フレイルになっていきます。
年を取るせいだから、仕方ないことと思われがちですが、「フレイル」は「健康」に戻ることができます。
しっかりと食べて、身体を動かせば、要介護になる時期を遅らせることができると考えられています。
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先程フレイルの徴候として、筋肉の減少を申し上げました。
ここで筋肉量を簡単にチェックしてみましょう。
指輪っかテスト、両手の親指と人さし指で輪をつくり、ふくらはぎの一番太い部分を囲むテストです。
利き足ではないほうのズボンのすそを上げて、靴下は下げて、素肌で計ります。
両手の親指と人差し指で輪を作ります。
椅子に座って、ひざが90度になる状態で、利き足ではない方のふくらはぎの一番太いところを囲みます。
結果は、ふくらはぎを「囲めない」「ちょうど囲める」「すき間ができる」の三つのグループに分かれます。
指の輪よりも足が細くて「すき間ができる」人は要注意。
筋肉量が減り、筋力が低下している恐れがあり、介護や寝たきりになる可能性が高いと言われています。
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フレイルの簡易チェックもしてみましょう。この中に、あてはまる項目はありませんか?
(1握力が弱くなった 2歩くのが遅くなった 3体重が減った 4なんだか疲れやすくなった 5からだの活動レベルが低下している)
この中で3つ以上あてはまったら、フレイルの疑いがあるらしいです。
もし体重が1年で2~3kg減っていれば、フレイルが疑われますが、何か病気が隠れていることもあるので、主治医の先生に相談して下さいね。
できれば毎日体重計に乗って、体重チェックをしましょう。
なんとなく、フレイルがどんな状態か見えてきましたでしょうか。
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フレイルについて言葉で整理してみます。
フレイルというのは、こころと身体の健康を保つはたらきと、生活する力、社会に参加する意欲だったり元気が、全体的に下がってしまうことで、要介護状態になりやすい危険な状態です。
フレイルにならないためには、この3つの働き・力を維持しなければなりません。そのポントは、栄養、体力、社会参加の3つです。
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フレイルを防ぐには、具体的にはこういうことを心掛けましょう。
高齢期は、食事が不足しがちです。
いろいろ食べて、栄養をしっかり摂りましょう
運動を習慣づけ、筋力を保ちましょう。
(運動教室などを利用し、週2回以上運動できると良いです。)
外にでる機会をつくりましょう。 
(趣味でも地域活動でも、定期的に人と会うというのが大事です。)
この3つが、フレイルの予防・改善のポイントです。
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フレイル(高齢期の虚弱)予防には、1日3食、特にたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品)を毎食意識して摂り、多様な食品を組み合わせることが重要です。
日本人の食事摂取基準では、65歳以上の男性は1日に60g、女性は50gをタンパク質摂取の推奨量としています。
まずはこの推奨量を目標としてタンパク質を摂取しましょう。
統計によると75歳、80歳を超えてくると、タンパク質を食べる量が減ってくる傾向がみられます。
買い物の機会が減ったり、噛めないとかで食べづらくなって避けたり、食欲が落ちたり、原因は色々だと思いますが、減りがちなので、取り入れるよう心掛けていただきたいです。
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一日の目安量はこれくらいです。
魚・肉は卵より少し大きいくらいです・
全部、両手の上に載るくらいの量です。
これを朝・昼・夕に振り分けて食べてもらうとちょうどいい量です。
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他の食材も見てみましょう。
お刺身は食べやすくお好きな方も多いのではないでしょうか。
乳製品もタンパク質を含んでいます、牛乳、ヨーグルト、チーズ。
大豆製品は納豆、油揚げもあります。
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ある人のある日のご飯をみてみましょう。
食パン6枚切1枚でタンパク質5g、卵二個分の目玉焼きでタンパク質12g、ハーフベーコン2枚でタンパク質2.6g。
合計で19.6gのタンパク質が摂れています。
目玉焼き2個は多いなと感じた方は、たまご1個にして、牛乳入りのカフェオレや、ヨーグルトを付けるのもいいかと思います。
〈16ページ〉
和食のご飯をみてみましょう。
白ご飯150gでタンパク質3.8g、鮭の塩焼き1切でタンパク質12g、冷奴1/4丁でタンパク質6g。
合計で21.8gのタンパク質が摂れています。
〈17ページ〉
タンパク質が大切なことはわかったけど・・・準備するのが大変!と思われている方いませんか。
この中に当てはまることありませんか?
食材を買いに行ったり作ったりすることが負担に感じる
肉や魚は、値段が高い・日持ちしないなどの理由で買いづらい
おにぎりやパンを好んで食べるようになった
そんな方は知らず知らずのうちにタンパク質不足になっているかもしれません。
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ここで手軽に取り入れるポイントを紹介します!
市販品や惣菜などの出来合いのものでお肉や魚を取り入れたり、卵を常備しておいて、毎日1個食べるようにするのもいいと思います。
低栄養を防ぐためシニア世代は、時には2ケ食べるのもいいかもしれません。
コレステロールの心配もありますが、他の食材とのバランスを考えて取り入れることができます。(バター ・生クリーム ・スナック菓子 ・インスタント食品が多い)
朝食にゆで卵や 食パンにハムやチーズをのせてトーストするのも手軽ですし、また、おやつにベビーチーズ、さけるチーズを取り入れるのはいかがでしょうか。
チーズで手軽にタンパク質が補充できます。
〈19ページ〉
肉・魚・卵・大豆製品が用意できないとき、かまぼこなどの練り製品、ハム、ベーコンなどの加工品を利用するのも一つの案です。
例えば、和え物にハム、かにかま、ちくわ、ツナ、しらすなど。
しらすは、冷凍しておくと、ぽろぽろとほぐして少量ずつ取り出せますし、食べる少し前に冷凍庫から出せば食べるころに自然解凍されているのでおすすめです。
煮物や炒め物には、ベーコン、ウインナー、魚肉ソーセージ、焼き鳥缶がおすすめです。
ただ、注意点があります。
練り製品、加工品には塩分も多く含まれますので、そればかりにならないよう気を付けましょう。
また、腎機能が弱っていて、医師の指示がある方はそちらに従ってください。
〈20ページ〉
ここで当グループの通所サービスで実際に今提供している昼食を少しご紹介します。
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酢鶏メニューです。
たん白質の鶏肉・卵を含めた野菜がたくさんとれるメニューです。
〈22ページ〉
スパニッシュオムレツメニュー。
スパニッシュオムレツは 卵+チーズ+牛乳で作っています。
〈23ページ〉
天ぷらメニュー。
こちらは人気の天ぷらメニューです。エビからもたんぱく質を摂ることができます。
〈24ページ〉
すき焼きメニュー
牛肉には良質なたんぱく質を含んでいます。
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お魚メニュー。
金時豆からもたんぱく質を摂ることができます。
春夏秋冬でいろいろな食材をつかった料理を提供しています。
〈26ページ〉
今後少しでも食事のときにタンパク質を意識していただけたら幸いです。
ご清聴ありがとうございました。