住民健康講座

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平成31年2月21日(木)第248回『長引く咳や痰-ぜんそく・COPD(慢性閉塞性肺疾患)かもしれません-』

場所津市一志高岡公民館
津市一志町田尻605-2
講師小渕医院
医師 笹邉 淳先生
講演要旨咳(せき)は西洋・東洋問わず、世界中で患者さまが医療機関を訪れる頻度の最も高い症状の一つです。咳の原因は、自然に治ってしまう普通の「かぜ」から死に直結する心臓病、肺癌まで様々です。咳をすることは大きなエネルギーの消費となり、患者さまのQuality of Life(生活の質)の低下は著しいものです。
長引く咳とは、発症後3週間以上持続する咳嗽(遷延性・慢性咳嗽)のことを言います。何週間も咳が長引くとそれから早く解放されたい一心で、医療機関に来られます。胸部レントゲン写真や胸部の聴診で異常所見が認められる場合の咳の原因診断は比較的容易ですが、これらの異常を認めない場合の診療は容易でありません。気管支喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、COPDといった疾患は長引く咳の原因として非常に多いものですが、一般臨床医(開業医や一般病院の勤務医)はもちろんながら、呼吸器の専門医でも診断に困るケースが多いとされています。
近年、呼気NO検査やモストグラフ(呼吸抵抗試験)を施行する事で、これらの長引く咳の原因を客観的に評価する事が可能になってきました。長引く咳でお困りの方は医療機関を受診する事をお勧めします。