住民健康講座

住民健康講座要旨

第247回平成31年1月10日(木)『膝関節痛・こむら返りの対処法』
  • 場所津市久居総合福祉会館
    津市久居東鷹跡町20-2
  • 講師ながくら整形外科
    院長 長倉 剛先生
  • 講演要旨ひざ関節痛やこむら返りはわたしたちの日常生活の中でよく起こる症状ですが、双方ともなかなかコントロールするのが難しいものです。
    ひざ関節は骨・靭帯・筋肉・半月板・軟骨などで構成されており、いずれかの、あるいは複合したトラブルが起こることで痛みを生じます。また神経痛によりひざ関節周囲に痛みが走ることもあります。痛みの感じ方、部位によって対処法が変わりますが、ひざ関節痛の対処法は、ひざ関節の重要な機能である可動性と支持性を維持することが最も大切なことです。すなわちしっかり曲げ伸ばしできるひざ、しっかり体を支えられるひざを作ることが重要ということです。これは十分なストレッチを行うこと、十分な筋力強化を行うことで可能となります。
    こむら返りの原因は過度な運動や立ち仕事のような筋肉への負担、脱水・下痢などの水分やミネラルの異常、高齢者にありがちな運動量の低下、糖尿病や肝硬変などの内科的疾患、腰部脊柱管狭窄症などの神経疾患、動脈硬化症や下肢静脈瘤などの血管病変など様々なものがあります。夜間~朝方のこむら返りは水分摂取が少なく脱水傾向となり、また動かないことで四肢の血流低下、冷えによる血流悪化が原因と考えられます。芍薬甘草湯や筋弛緩剤などの薬を使うことで改善することもありますが、やはり重要なのは水分やミネラルを適切に摂ること、適度な運動を行うこと、足を温めること、足のストレッチや軽いマッサージを行うことです。ミネラルではマグネシウム、ビタミンではビタミンB1やビタミンEがこむら返りの予防につながります。
    ひざ関節痛・こむら返り双方に有効なストレッチの原則は①10秒×3回行うこと、②短時間でも毎日行うこと、③痛みを感じないよう適切な負荷で行うこと、④腹式呼吸で息を吐きながら行うことです。
    また筋力トレーニングのポイントは①週に3回程度(疲労がたまらなければ徐々に増やして)、②どこの筋肉をトレーニングするか意識をして、③一定以上の負荷をかけ、④徐々に質と量を上げていくことが挙げられます。
    健康な足づくりのために日々の生活の中でストレッチ、筋力トレーニングを取り入れて頑張ってください。
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