住民健康講座

住民健康講座要旨

第246回平成30年11月8日(木)『医療の提供と健康維持支援を担う薬局薬剤師活用法』
  • 場所津市久居総合福祉会館
    津市久居東鷹跡町20-2
  • 講師メディモ調剤薬局
     薬剤師 服部 文乃先生
  • 講演要旨薬剤師のイメージ
    社会的評価・専門性が高い仕事で、医師などと同様に理知的なイメージであると評価される反面、対人面では他の医療職(医師・看護師)とは異なり、対人親和性が低く、対人関係の重要性については低く評価されている傾向があるとされています。『医療人として対人援助を行う』というイメージが低く、医療人としての薬剤師養成に向けた努力が、学生教育・職場教育においてもなされているにも関わらず、『薬を数えて渡すだけというイメージが払拭されていなません。
          
    薬剤師への不満
    ①お薬手帳を勧められること。
    当店では、お薬手帳を持参して頂くことによって、重複投与や併用禁忌や併用注意の事例が1日数件発見されます。緊急性の高い場合は、処方医師へも連絡し、有害事象の発現を予防します。
    残薬の確認なども、他薬局・病院でもらわれているものも含めて、確認をし、処方医師にあらかじめ情報提供をしておくことで次回診察時に調整することができます。
    出先や災害時などで、普段かかりつけでない医師に診察を受けるときには持病やお薬のアレルギー等の情報はとても大切で、よりよい治療を受けるためには不可欠です。
    薬剤師がお手伝いしますので、お薬手帳に情報を記入しておきましょう。
    ②ジェネリックを勧められること。
    何がなんでもおすすめしているわけではありません。
    基本は、患者様によりよいと思えばこそなのです。
    薬剤師の判断にお任せくださることが多く、また、ジェネリックを希望してくださる方も多いです。信頼して頂けているなと嬉しくなる瞬間です。
    ③医師に説明したのに再度病状の説明を求められること、質問されること。
    実は、これは、薬剤師としてお国から定められた必須のお仕事の一つなので、お許し願いたいなと思います。ただし、黙秘という権利は患者様にありますので、言いたくないことは言わなくて大丈夫です。病状に対して適切な薬が処方されているか、体質に合わない薬が出ていないか、などをチェックしなければなりません。処方監査という重要なお仕事です。問題があると判断できる場合は医師への処方変更を提案します。また、服用中の薬がきちんと効いているか、副作用は出ていないかなどを確認しなければなりません。これに関しても、問題ありと判断したときは、主治医に処方変更などの提案を行います。

    私が仕事をし始めた当時、もう20年以上昔になりますが‥‥
    医師の指示通りに薬を作って渡していれば問題ない時代からの転換期でした。
    そ の背景には、それまでたくさんの悲しい医療事故が起きた過去があり、医療現場では、チェック体制の強化が図られ、院外処方という言葉が定着しはじめました。眼科・内科・整形外科・皮膚科などなど、病院はあちこちかかっても、薬は1つの薬局でもらう・・・これが『かかりつけ薬局』です。
    もしも、あちこちの薬局でお薬をもらわれていて、不便ではないけど、何か物足りなさを感じていたら・・・・気になっている薬局があれば、お薬手帳を持参し、相談してみて下さい。『あちこちでもらっている薬をここでまとめて貰いたいのだけど』と。
    素敵な薬剤師が親身になって相談にのってくれますから。

    薬剤師は薬という『モノ』を準備し、説明して渡してくれる人から、私という『ヒト』の病気に伴う症状を改善するために頑張ってくれる人という存在に変わりました。
    その代表的な例として、在宅医療が挙げられます。
    患者さんが来るのを待つのではなく、こちらから患者さんのところに出向くというサービスです。

    今、なぜ在宅医療が必要とされているのか
    ①医療の変化
     一人一人に対応する医療・またその人生に寄り添う医療が必要となりました。
     平均寿命の延伸によって、医療は急性期医療・慢性期医療・看取り
     のすべてが重要となりました。
    ②多死社会
     人生の最期をどこで迎えるか
      85歳以上、要介護・要支援が約5割
      死亡する場所、病院80%程度(微減)、自宅15%程度(微増)
      住み慣れた自宅で最期を迎える‥‥理想ではなく現実になります
      病院・施設はもう空きが無くなります。

    私たち薬剤師が目指す在宅医療とは
    ●患者(患児)と家族に寄り添う支援
    服薬を続けるためにどうすればよいのかを患者の立場になって考え、服薬が負担にならないように、できるだけ薬を飲むことを生活の一部に組み込んでいく。
    患者に寄り添う姿勢、コミュニケーション力を発揮して服薬指導をする。
    すべての患者さんやご家族が在宅支援を望まれるとは限らず、場合によっては在宅支援が患者さんの通院・来局といった外出の機会を奪い、気力・体力の低下に繋がる恐れもないとは言えません。
    患者さんやそのご家族に寄り添い、在宅医療にこだわらず、その時々の最大限の支援方法を考えています。
    高齢の患者さんの場合、来局はできても薬の管理や正しい服用が必ずしも充分できず問題を抱えているケースも少なくありません。
    薬局では患者さんの様子を常に気にかけ、必要な場合は在宅訪問を提案するのが望ましいと考えています。

    治療に限らず、我々は人の支えや助言をもとに軌道修正をしながら生きています。
    家族がいない、あるいは遠くに暮らしているなど、様々な事情で家族のサポートを受けるのが難しい場合には、私たち薬剤師を家族に代わるサポーターと思って頂き、薬のことだけでなく、なんでも相談してください。お話をたくさんしましょう。
    実は、私たち薬剤師も、人として、患者様の生き方から学ばせていただくことも多いのです。

    『薬をお渡しする迄ではなく、飲んだ後までフォローする』という、薬剤師の存在意義の見直しが、医療の在り方を変えています。
    急増する医療ニーズに、急増しない医師・看護師で対応することを求められているのが現状ですが、どう考えても無理。コンビニよりも多い薬局に、開業医よりも多い薬局薬剤師が配置されています。活用しない手はない、と、厚労省もお考えなのです。

    地域の皆様も、医療資源の一つとして、ぜひ、薬剤師を利用してください。
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