住民健康講座

住民健康講座要旨

第244回平成30年9月13日(木)『更年期から老年期にかけて生じる女性の健康問題』
  • 場所津市久居総合福祉会館
    津市久居東鷹跡町20-2
  • 講師三重レディースクリニック
    医師 神元有紀先生
  • 講演要旨 2016年の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳であり、日本人女性は世界一の長寿です。最近の女性の閉経年齢は約50歳ですので、平均寿命の約半分が更年期・老年期になってきます。
     女性は生理的ライフステージによって、ホルモンの状態が大きく変化します。また、女性にはホルモンの変化に伴う病気が数多くあります。更年期では更年期障害、高脂血症などが、老年期では尿失禁、心血管疾患、認知症、骨粗鬆症などが問題になってきます。女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、脳や中枢神経系、皮膚、循環器系、脂質代謝、骨、泌尿器、生殖器系など様々な臓器に作用しています。更年期・老年期になりエストロゲンが欠乏すると物忘れや鬱、皮膚乾燥やシワ、心血管系疾患のリスクの増大、脂質代謝異常、骨量減少(骨粗鬆症)、排尿障害、性器萎縮など生じてきます。これらの症状を改善するためにホルモン補充療法や食事療法、運動療法などが行われます。ホルモン補充療法によって骨密度を増加させ骨折を予防したり、更年期の抑うつ気分を改善したり、肌の潤いを保ったり、脂質代謝を改善したりします。逆に副作用としては不正出血や血栓症、脳卒中などを増加させることがありますが、リスク因子を考慮し投与開始年齢や投与期間、投与方法を考慮すれば安全に使用できます。脂質異常や骨粗鬆症予防にはバランスのとれた食事や適度な運動も効果的です。
     日本人女性の健康寿命は77.7歳と平均寿命ほど長くはありません。女性予防医学を確立させ、骨粗鬆症、動脈硬化、脳卒中などを予防することが健康寿命を伸ばすために必要です。
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